家庭医レジデントの備忘録

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凍傷 凍瘡 しもやけ まとめ

雪山で遭難し、翌日救出され搬送されてきた方。

32度台の低体温と足趾の凍傷(診察時点でⅠ度)がありました。

凍傷の症例は経験がなく、参考文献1を見ながらなんとか対応。

 地元の皮膚科に紹介状を書いて、フォローをお願いしました。
以下はまとめです。
 
【リスクファクター】
疲労、脱水、低栄養、アルコール中毒、末梢血管疾患、糖尿病、精神疾患
 
【症状】
耳、鼻、顎、指、趾などに起きやすい
冷感、しびれ、動かしにくさ、感覚障害、白~灰色の皮膚、解凍により(非)血性水疱

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(参考文献2より)
 
 
【重症度分類】
①凍傷frostbite
Ⅰ度 紅斑性 発赤、腫脹、凍傷。レトロスペクティブに診断、組織損傷無し
Ⅱ度 水疱性 浮腫、水疱形成(真皮までの障害)、初期は真っ白に見える、皮下は弾力ある
Ⅲ度 壊死性 壊死、潰瘍(皮下組織までの障害)、皮下は弾力あり
Ⅳ度   筋肉、骨までの壊死。皮下は木のように固くなる
 
②しもやけ 凍瘡 chilblain 0度以上で発症する赤紫色の病変
塹壕足(ざんごうそく) trench foot 冷たい水に長時間つかって発症
 
 
【治療】エキスパートオピニオンが多い
・急速解凍rapid rewarming 40度くらいのお湯で数十分加熱 湯温モニター
・局所:患部の挙上安静、水疱痂皮潰瘍処置、切断(4週間以降)
・水疱は吸引する
・NSAIDs トロンボキサンに拮抗、鎮痛
・神経ブロック:硬膜外、交感神経節
・血管拡張:PGE1
・高圧酸素療法
破傷風予防
・禁煙
・重大なアンプタ(複数の指や大腿部など)リスク→tPAやヘパリン
 
 
【参考文献】
1)Philip B, 大滝純司, 他, マイナーエマージェンシー, 第1版, 2009, 医薬品出版株式会社.
2)林寛之, StepBeyondResident2, 羊土社, 2007.
3)Ken Z et al, Frostbite,UpToDate, Accessed on Jan 18, 2016.