家庭医レジデントの備忘録

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無脾症患者の発熱 Overwhelming postsplenectomy infection OPSI

Rubin LG, Schaffner WS, Care of the asplenic patient, N EnglJ Med, 2014;371:349-356.
 
無脾症患者の敗血症は死亡率50%を超える
敗血症は無脾症患者の3.2%にみられる(1980-1990年代の報告。平均6.9年追跡調査)
 
無脾症の原疾患:
・脾摘術後:外傷、疾患(遺伝性球状赤血球症、ITP、脾腫、鎌状赤血球症)
・機能性:幹細胞移植後の慢性GVHD(移植片対宿主拒絶反応)、重度セリアック病、未治療HIV
・先天性:単独は稀。先天性心疾患(Ivemark症候群)などと関連
 
無脾症敗血症のリスク因子:
・脾摘原因:低→外傷、中→遺伝性球状赤血球症またはITP、高→鎌状赤血球症、βサラセミア、門脈圧亢進症
・脾摘年齢:高→乳幼児の脾摘または先天性無脾症。
・脾摘後の経過時間:特に若年では脾摘後1年、しかしその後10年間(恐らくは生涯)リスクは高いまま
 
無脾症で感染リスクが上がる菌:
肺炎球菌(最多)、Hib
髄膜炎菌、大腸菌黄色ブドウ球菌→恐らくリスク上がる
Capnocytophaga caniorsusやC.cynodegmi(動物咬傷)
babesia(ダニ咬傷)
Bordetella holmesii(パラ百日咳菌:敗血症、心内膜炎など)
 
敗血症の予防:
・教育→発熱や重度の症状があればすぐに医療機関受診を。
・ワクチン→以下
・予防的抗生剤
適応:5歳未満の無脾症小児、動物咬傷
考慮:5歳以上でも脾摘後1-2年、脾摘後敗血症の既往がある人
 
ワクチン:日本では無脾症の保険適応はPPSV23のみでほかは自費となるかも?
・肺炎球菌
PCV13(プレベナー13®):ワクチン歴なければ年齢に応じ投与。
PPSV23(ニューモバックス®NP):PCV13から8週間空けて投与。脾摘前後2週間は避ける。以降5年毎
・Hib(ActHIB®):ワクチン歴なければ1回投与推奨
髄膜炎菌(Menactra®):PCV13接種と4週間空ける。脾摘前1回接種または脾摘後に8-12週あけて2回接種→5年毎
・インフルエンザ:二次感染予防に。
 
発熱時フロー:

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(上記文献を改変して引用)