家庭医レジデントの備忘録

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メトホルミン まとめ 糖尿病 ビグアナイド

【要点】
1日1回投与でもいい(保険が通るかは不明)
消化管副作用は一過性
長期投与でVitB12欠乏になりうる
乳酸アシドーシスは稀だが症状は非特異的なため、疑ったら採血を。
乳酸アシドーシスハイリスク患者は投与禁忌(重度な肝障害、CKD、心不全アルコール依存症など)
eGFR<30は禁忌
eGFR30-45なら新規投与はしない
eGFR>45ならOK(添付文書上Creが男≧1.3、女≧1.2は控える方が安全かも)
造影剤投与時は添付文書のルールに従う(投与前中止、投与48時間以降に再開)
 
 
【機序】

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(医療情報科学研究所, 病気がみえる vol.3 糖尿病・代謝・内分泌, 第3版, 2012, メディックメディア.)
 
 
【用法用量】
500㎎1日2回または850㎎1日1回で開始
(Metformin: Drug information, UpToDate, Accessed June 11 2017.)
 
少量250-500㎎1日1回から開始
1日2-3回に分けて処方すると飲み忘れが多くなる。そのようなときには1日1回で服用
(金城光代, 他, ジェネラリストのための内科外来マニュアル,第2版, 2017, 医学書院.)
 
*日本の添付文書では1日2-3回分服
 
 
【消化管副作用】
口の中で鉄の味がする、食思不振、嘔気、腹部不快感、下痢
多くは軽症、一過性、可逆性
これらの副作用により継続できない人は5%
(Metformin in the treatment of adults with type 2 diabetes mellitus, UpToDate , last updated: Apr 06, 2017.)
 
 
【VitB12欠乏】
腸管のVitB12吸収を最大30%減らす
巨赤芽球性貧血の原因になることは稀
量と期間がリスクに関連
炭酸Ca内服やマルチビタミンによりリスクが減るというStudyあり
(Metformin in the treatment of adults with type 2 diabetes mellitus, UpToDate, last updated: Apr 06, 2017.)
 
 
【乳酸アシドーシス】
症状:食思不振、嘔気、嘔吐、腹痛、倦怠感、過換気、低血圧
リスク:高用量投与、遺伝性糖尿病、腎障害、心不全、敗血症、脱水症
頻度:9/100000人年
(Metformin in the treatment of adults with type 2 diabetes mellitus, UpToDate, last updated: Apr 06, 2017.)
 
診断:≧4mmol/L(36mg/dl) (通常の乳酸アシドーシスと一緒でよさそう)
(Causes of lactic acidosis, UpToDate,last updated: May 28, 2015.)
 
治療:
・重炭酸NaはContraversial。pH7.1-7.15未満の重症なら考慮。
血液透析:重症なら考慮
(Metformin poisoning, last updated: Apr 12, 2017.)
 
 
【腎機能】
〇米国FDA
• Metforminの使用開始前に,患者のeGFRを測定すること。
• eGFRが30 mL/分/1.73 m2 未満の患者では,metforminの使用は禁忌である。
• eGFRが30~45 mL/分/1.73 m2 の患者では,metforminの使用開始を推奨しない。
• Metforminを使用しているすべての患者では,少なくとも年1回はeGFRを測定すること。
高齢者など腎障害の発現リスクの高い患者では,より頻回に腎機能を評価すべきである。
• Metforminを使用中の患者で,eGFRが45 mL/分/1.73 m2 より低下した場合,治療継続のベネ フィット/リスクを評価すること。患者のeGFRが30 mL/分/1.73 m2 より低下した場合,metformin の使用を中止すること。
• eGFRが30~60 mL/分/1.73 m2 の患者では,ヨード造影剤による画像診断検査の前および検査時にmetforminの使用を中止すること。
また,肝疾患・アルコール依存症心不全の既往のある 患者(*),ヨード造影剤の動脈内投与を受ける患者では,metforminの使用を中止すること。
画像診断検査の48時間後にeGFRを再評価すること。腎機能が安定していればmetforminの使用を再開する
 
*肝疾患、アルコール依存症心不全は乳酸アシドーシスのリスクを上げる
禁忌とはなってない
 
〇日本の添付文書
⑴ 腎機能や患者の状態に十分注意して投与の適否や投与量の調節を検討すること。腎機能は、eGFRや血清クレアチニン値等を参考に判断すること。[他社が実施したメトホルミン塩酸塩製剤の国内臨床試験における除外基準は、血清クレアチニン値が、成人では男性1.3 ㎎ /dL、女性1.2㎎ /dL以上、小児では血清クレアチニ ン値1.0㎎/dL超であった]
⑵ 本剤投与中は定期的に、高齢者等特に慎重な経過観察 が必要な場合にはより頻回に腎機能(eGFR、血清ク レアチニン値等)を確認し、腎機能の悪化が認められた場合には、投与の中止や減量を行うこと。
 
 
【造影剤について】
〇日本の添付文書
検査前は一時的に中止(緊急時を除く)
ヨード造影 剤投与後48時間は再開しない
投与再開時には、患者の状態に注意する