起:本の要約
文章を書く時の心構えをユーモラスに記した本。
What:何を書くか
多くの場合、随筆を書くことになる。
=事象(出来事)に触れて、心象(思ったこと)を書く。
*事象中心の記述:報道、ルポルタージュ
*心象中心の記述:創作、フィクション
Who:誰に書くのか
自分が読みたい文章を書く。
How:どう書くのか
事象99%、心象1%。
事象のファクトをきちんと調べるのが重要。
一次資料を中心に調べる。
調べることで、自分が感動するポイントを見つける。
感動したポイントを中心に、過不足なく伝えるよう編集する。
書く形式は起承転結。
起:発見。何を経験したか。
承:帰納。具体的には。
転:演繹。一般化して考える。
結:詠嘆。感想と提言。
Why:なぜ書くのか。
書くことはたった一人のベンチャー企業だ。 185p
自分がおもしろがれることは、結果として誰かにとっても響くはず。
*WhenとWhereはおまけで、「いまここで」書けと書いてある。
承:試しに、書いてみる
夏本番、わが医局のエアコン争奪戦が佳境に入った。
私はもともとエアコン嫌いで、さらに最近は冷え症になってきたのもあり、エアコンは最小限しか使わない。しかし医局の若いDrたちは涼しい部屋が好みのようで、好きあらば設定温度を下げてくる。
些細な価値観の違いが、争いを生む。
世界から戦争が無くなるのはいつの日だろうか。
転:ユーモアとは?
前回紹介した本によると、ユーモアについてはいくつかの説があるが、特に不一致説が有力視されている。
つまり、期待や予測と、現実の不一致により愉快さを感じる。ただしこの不一致はネガティブなものではなく、少なくとも無害か、不一致を解決したりするようなポジティブに捉えられるものでなければならない。
だから、エアコンが僕の意に反して低すぎる温度に設定されるのは、決してユーモラスではない。ただの宣戦布告である。
結:感想
タイトルがそのままメインメッセージになっていて、かつそれをユーモアたっぷりに伝える良書だった。
ユーモアは、意に反して人を傷つけてしまったり、(僕は滅多にないことだが)盛大にスベることもあるので、少々敷居の高い技術である。
でも、自分が「読みたいことを、書けばいい」のだから、自分がクスッとなればいいのだ。そう、これは決してセンス溢れるブログへの負け惜しみではない。決して。