2022-01-01から1年間の記事一覧
所属するオンラインサロンのイベントで紹介されていた本。イベント自体は仕事で参加できないが、興味を持ったので読んでみた。 「無頼派」「新戯作派」の破滅型作家を代表する昭和初期の小説家、太宰治の短編。初出は「中央公論」[1940(昭和15)年]。聖書…
久々に100分de名著シリーズを読んだ。悪人こそが救われるという「悪人正機説」で有名な親鸞だが、今回読んで印象的だったのは別の部分。 今生 に、いかにいとほし 不便 とおもふとも、 存知 のごとくたすけがたければ、この慈悲 始終 なし。 (この世に生き…
京都大学のyoutube講座。この書籍には載ってないが、つい先日も新しい配信があった。 書籍と上記配信から、例のごとく、重要そうなポイントや、気になったポイントを幾つか書いてみる。 公衆衛生の正当化の根拠 公衆衛生、つまり集団の健康を守るために、な…
ゆる言語学ラジオで取り上げられてたので読んでみた。かなり経済に疎い方だが、サクサク読めた。幾つか気になった部分だけ、備忘録的に。 145p グローバリゼーションは、徹底的にコストパフォーマンスを追求しよう、そのためであれば世界のどこにでも進出し…
社会学というジャンルに興味を持ち、読んでみた本。筆者の問題意識はこのように語られている。 私が問題としたいのは、①「生きる」意味をつきつめる必要のない「日常」を、私たちは普段、どのように生きているのだろうか、②そのように「日常」を生きること自…
podcastで紹介されていた本。聴く講談社現代新書: 社会学史(大澤真幸) - 聴く講談社現代新書 on Apple Podcasts 社会学って聞いたことあるけど、どんな学問?って思ってる方がライトに読むには結構しんどいが笑、飛ばし読みでもそれなりに楽しめます。ー-…
伊藤亜紗さんの本を読むのは、2冊目。 https://bc-liber.com/blogs/03dd1dbdb6d9 読書ログ「目の見えない人は世界をどう見ているのか (光文社新書)」 こば 09/01 22:04 ブログ内容 まとめ前提の話:倫理・道徳・多様性距離のなさ対称性持続性:時間がかかる…
進化論について、解説した本。コテンラジオの深井さんが紹介してたので、読んでみた。 全体的には正直あまり面白いとは思わなかったが笑、それでも面白かったと思うポイントが3つあるので、要約してみる。■陸上の覇者は人間でも、陸上に最適化した生き物は人…
本書は國分功一郎さんと、熊谷晋一郎さんの共著。國分さんは「暇と退屈の倫理学」や「中動態の世界」で有名な哲学者。熊谷さんは「リハビリの夜」や当事者研究で有名な、脳性麻痺の小児科医。この本は「中動態の世界」の続編ともいえる本である。中動態につ…
「便益(価値)遅延型専門サービス」・・・かつてこれほどに、ピンと来ない言葉があったでしょうか?でも大丈夫です。そんなにわかりにくくはない(はず)です。というわけで、今回はとある論文の紹介です。著者は香川大学の経済学部の教授。 プライマリケア…
本書は、依存症治療に長く携わってきた精神科医である著者がその自身の経験を記した本である。薬物依存症を診た経験はないが、アルコール・ニコチン・ベンゾジアゼピン(睡眠薬)依存症は診ない日はほぼなく、興味深く拝見した。とはいえ、専門用語は殆ど出…
LIBERというオンラインサロンのブログに投稿したものの、転載になります。 bc-liber.com ひとりとは?・「単位としての一人」:空間時間の課金対象・「孤独・独身の独り」:孤独・自由・独身・「状態としてのひとり」:一定の時間、帰属先の集団から離れてひ…
そのくらい、爽やかな気分になりたいものです。 (ジョジョの奇妙な冒険 42巻)8月に買った漫画は10シリーズでした。 というわけで、今回紹介する漫画はこちら。 https://books.rakuten.co.jp/rk/140652d4a0273a49a39c58f927ea9292/?l-id=search-c-item-t…
認知症の項目で記憶に残った部分を要約。 ー----------------------------- 認知症の症状は「記銘力障害」(覚えられない)と「見当識障害」(自分がどういう状況にあるかがわからない)。 しかし、実は「何かを忘れてしまう病…
僕が本書を読んだのは4年ほど前で、能動でも受動でもない”中動態”というのはとても印象的だったことを覚えています。今回、ある人からのリクエストもあって、改めて読み直してブログにしてみました。著者は、「ひまりん」(暇と退屈の倫理学)で有名な國分功…
本書の主張を一言でいうと、こうである。 言葉でなにかを表現することは詭弁である。だがそれの何が悪い。 あることを表現するとは、複数の可能な言葉から一つを選択することに他ならず、その際に、自分にとって最も都合よく、効果的な言葉を選ぶことは、説…
起:本の要約 文章を書く時の心構えをユーモラスに記した本。What:何を書くか多くの場合、随筆を書くことになる。=事象(出来事)に触れて、心象(思ったこと)を書く。*事象中心の記述:報道、ルポルタージュ*心象中心の記述:創作、フィクションWho:…
前回の音楽美学と同じ著者の本。1985年生まれ、現在は比較社会文化研究院というところに所属していて、専門は, 心の哲学と分析美学らしい。 ichikateiiryou.hatenablog.com 本書は学生向けの講義をまとめたもので、口語体で書かれており読みやすい。感情の本…
http://blog.tatsuru.com/2022/08/06_1128.html 自分のヴォイスをみつけるためのエクササイズ - 内田樹の研究室 ずいぶん前になるけれども、自分のヴォイスをまだみつけていない青年がいた。彼が自分のヴォイスで自分について語れるようになる... blog.tatsu…
最近、ピアノにハマっており、時間があれば色々演奏して楽しんでいる。哲学も興味のあるジャンルの一つであり、音楽×哲学で何か本がないかと探してみると本書を見つけた。一部しか読んでないが、内容をメモ的に残しておく。ー---------------…
キルケゴールの「死にいたる病」について調べていたら、見つけた小説。映画化もされたらしい。凄惨なシーンが多いので顔をしかめながらも、一気に読んだ。 鬱屈した大学生活を送る雅也は、連続殺人犯の大和から冤罪の証明を頼まれる。戸惑いつつ調査する雅也…
一九九一年四月。雨宿りをする一人の少女との偶然の出会いが、謎に満ちた日々への扉を開けた。遠い国からはるばるおれたちの街にやって来た少女、マーヤ。彼女と過ごす、謎に満ちた日常。そして彼女が帰国したとき、おれたちの最大の謎解きが始まる。覗き込…
みなさん、ブルーバックスってご存じですか?Wikiによると、「講談社が刊行している、自然科学や科学技術の話題を一般読者向けに解説・啓蒙している新書シリーズ」。僕は、下の動画をみて、初めてその存在を知りました。 ヨビノリたくみさんが紹介している「…
マイクロアグレッションについて解説された本。家庭医療業界でも今後注目されそうな気がする。ー----------------------------- 要約 本書はアメリカにおける人種・ジェンダー・性的志向に対するマイクロアグレッションを解説…
うめざわしゅんさんの短編漫画集。kindle unlimitedで閲覧可能。この中の「ヘイトウイルス」という短編が非常に印象的だったので、紹介したい。(*ネタバレありです)ー----------------------------- あらすじ ある少年Hが自…
応用哲学を学ぶ人のために 上記書籍の中の「死んだらおしまい—形而上学と死生学と応用哲学と」という論考を読んだ感想。 感想 エピクロスの「死は害悪でも利益でもない」という考え方は聞いたことがあるし、確かにそうかもなと思う節もあったが、それを殺人…
後輩の先生から漢方の勉強法について質問を受けたので、備忘録として残しておく。 ー----------------------------- とりあえず困ったときに病名や症状から漢方をさっと選ぶのは①が便利です。僕はM2PLUSというアプリにインスト…
第13回日本プライマリケア連合学会の下記セッションを、オンデマンドで視聴した。【患者中心性を掘り下げるー家庭医療学の柱に立ち返る実践と教育ー】 https://jpca2022.org/ JPCA 2022 | Japan Primary Care Association | June 10 - 12, 2022 | Join us in…
応用哲学を学ぶ人のために上記書籍の中の「臨床治験を哲学する—EBMと”証拠のヒエラルキー”」という論考を読んだ感想のメモ。ー-----------------------------EBM(Evidence based medicine)とは、臨床研究などのデータを元にし…
応用哲学を学ぶ人のために以前読んだ本で引用されていた本。 https://bc-liber.com/blogs/bf6cbb9b657d 哲学と思想の森 「幸福」の解像度を上げよう こば 06/04 18:22 上記書籍は、パート毎に執筆者が異なる。この中の「幸福の形式」という論考を読んだ感想…