*ネタバレしませんが、本を読んでない人が読んでもいまいちピンと来ないブログかもしれません。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
紙の本の良さとは何だろう。
・紙の手触り感?
・本の全体像がつかみやすい?
・後で見返しやすい?
・本棚に置く存在感?
他にも色々良さはあるだろうし、その辺は僕自身も分からないではない。
でも、僕は読書の時は、基本的にはほぼ電子書籍で済ませている。
・スマホ一つで持ち運べるし、
・さっとハイライトできる。
・何より、ミニマリスト気取りの僕にとって、本棚のスペースを割かないですむことが大きい。
さて、本書は本屋で偶々立ち読みして、続きが気になり衝動買いした本。
本を衝動買いすること自体も結構久々だった。
「私は報道されている通り、美人に該当する人間です。
でもそれが私の人生に不幸を招き続けているのです」飛び抜けた美人であるせいで不幸ばかりの人生を歩むシングルマザーの香織(仮名)。
娘の学校の教師に襲われた事件が報道されたのを機に、手記『逆転美人』を出版したのだが、それは社会を震撼させる大事件の幕開けだった――。
果たして『逆転美人』の本当の意味とは!? ミステリー史に残る伝説級超絶トリックに驚愕せよ!!
(Amazonの本紹介より)
帯に「紙の本でしかできない驚きの仕掛け」とあり、これが本書のトリックの中核をなしている。ネタバレは避けるが、確かにこれは電子書籍やブログ小説だとできない仕掛けだなぁと納得。(厳密にはPDFとか固定レイアウトならできなくはないと思うが)
Amazonを見てもKindle版は発売されてないし、この本の売りをしっかり徹底している。
このトリックを抽象化して言えば、「本という物資そのものをハックしたトリック」みたいな感じだろうか。
本は、本という物質的な構造に制約を受ける。
本のサイズには一定の制限がかかり、ページ数も無尽蔵には増やせない。
そうすると必然的に文字数も限られ、レイアウトなども一定の制約を受ける。
それらはデジタル情報に置き換えれば、不要な制約となる。
例えば、ブログにすればほぼ無尽蔵に文字を並べ立てることができる。
でもその制約を上手く利用することで、本書のようなミステリー小説が書ける。
このような「本という物資そのものをハックしたトリック」は、なかなか出てこないアイディアだと思うし、本書以外のアイディアはなかなかない気がする。
他に、紙の本でしかできないアイディアで思い浮かぶのは、
・子供向けの「飛び出す」絵本とか、
・パラパラ漫画くらいだろうか。
なので、これからも僕は基本的には電子書籍を読むだろう。
でも、紙の本でしかできないような新しいアイディアの本があったら、また読みたい。