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過去のブログを振り返るブログ。
ブログそのものは駄文すぎてあれなので、漫画そのものを読み返した振り返りをしてみる。
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本作は、チェンソーマンで有名な漫画家、藤本タツキさんの読み切り漫画。
自分の才能に絶対の自信を持つ藤野と、引きこもりの京本。田舎町に住む2人の少女を引き合わせ、結びつけたのは漫画を描くことへのひたむきな思いだった。月日は流れても、背中を支えてくれたのはいつだって――。唯一無二の筆致で放つ青春長編読切。
(Amazon作品紹介より)
藤本タツキさんの漫画はどれも魅力的だが、本作は一番好きな作品の一つ。
140pほどですぐ読み終わるが、圧倒される。
この漫画の魅力を言語化するのは難しい。
なにせ、半分以上のコマにセリフがない。
漫画が好きな人なら、試し読みだけでも是非読んでみてほしい。
以下、ネタバレあり。
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①タイトルについて
ルックバック。
Look Back。
教科書的な意味は「後ろを振り向く」「回想する」。
主人公たちが後ろを振り向くシーンが、物語のターニングポイントとしていくつか使われている。
また、回想シーンや、空想(と思われる)シーンも物語内に多く含まれている。
でも、Backは「背中」でもあるから、Look (A's)Backとして「誰かの背中を見る」という読み方もできる。
実際、本作では主人公がひたすら机に向かって絵を描いている背中を見せるシーンが、多く出てくる。
人間は、言葉で語るときは前を向く。
でも、後ろを向いているときもその姿勢から何かを語っている。
②なぜ、漫画を描くのか
京本が殺され、漫画の道に引きずり込んだことを後悔する藤野。
漫画の最後、京本との会話を思い出す。
この後、一切セリフはない。
スラダンの山王戦のクライマックスとか、ハンターハンターのメルエムの最期なんかもそうだけど、敢えてセリフを使わない(極力削る)ことで、画や前後の文脈だけで魅せるというのは漫画作品の一つの極致の気がする。
アニメや映画でも、「敢えてセリフや音を使わない」手法を使った作品はあるんだろうか。