家庭医療専門医の勉強記録

医学・非医学問わず、学んだことを投稿しています。内容の間違いなどありましたらご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ルックバック【ブログを振り返るブログ】(ネタバレあり)

https://www.amazon.co.jp/dp/B09BDZ5RSJ?tag=booklogjp-default-22&linkCode=ogi&th=1&psc=1 過去のブログを振り返るブログ。 https://bc-liber.com/blogs/3bda8d3706d5 「ルックバック 藤本タツキ」読み終えた衝動のまま・・・駄文です こば 09/04 18:06 …

電子書籍厳禁。【逆転美人】(ネタバレなし)

*ネタバレしませんが、本を読んでない人が読んでもいまいちピンと来ないブログかもしれません。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー紙の本の良さとは何だろう。・紙の手触り感?・本の全体像がつかみやすい?…

【緩募】選挙の情報源知りたいです

特にこれといった政治信条はなく、特別応援している政党も議員さんもいません。でも、やっぱ大人として選挙は行くべきかと思って、なるべくさぼらないようにしています。というわけで、4/9は統一地方選挙。といっても、選び方がよくわからない。まず、何かで…

「7つの習慣」や「人を動かす」が好きな方へ【自己啓発の時代】

ブログ目次 こんな方にお勧めブログまとめ本書の目的結論①結論②結論③読後の感想 こんな方にお勧め 7つの習慣人を動かすチーズはどこへ消えた?夢をかなえるゾウ雑誌「an an」日経ウーマン頭がいい人、悪い人の話し方もしドラ断る力考えない練習こうした本を…

古典を「古典として読み」たい【読書と社会科学】

まとめ ・情報を得る読書だけでなく、概念装置を獲得できるような読書も大事である。・概念装置の獲得とは、筆者が見るような仕方で世界を見る方法を手に入れることである。・古典は新奇な情報はなくとも、知っていることが新鮮に見えるような効果がある。・…

目の見えない人は世界をどう見ているのか【ブログを振り返るブログ】

【ブログ内容まとめ】 ・以前のブログを振り返ってみたらいろいろ発見があった。・ブログ作成時にはショートサマリーを作る方が、後で見返したときに内容がわかりやすい。引用はあった方がよい。・Deaf gainのように「障害」も「病気」も見方によってはプラ…

【メモ】スマホ時代の哲学 失われた孤独をめぐる冒険

本筋とは関係ないところが、印象に残った。 石器時代を念頭に置いて、「現代の環境は、人間の性質や脳のあり方に沿っていないからダメだ」という議論がしばしば用いられます。しかしこの論法は、人間が旧石器時代から現代に至るまでのあいだに、ほとんど身体…

玄人になろう

(スタンドUPスタート)1月からドラマ化された漫画のワンシーン。(ドラマは見てないし、漫画も買ったわけではなくLINEマンガで無料で読んだだけですが・・・)パチンコ店などの欲求ビジネスは、客の欲求を煽れば比較的簡単に利益を出すことができる。だか…

”たかが”と”されど”と、テニスと医師と阿波踊りと仏教

Amazon.co.jp: アンディ・マリー: 再起までの道 (字幕版)を観る | Prime Videoテニスを観ない人でも知っているテニスプレイヤーと言えば誰だろう?錦織圭や大坂なおみ、ロジャー・フェデラーあたりだろうか。このアンディ・マリーのことは知らない人も多いか…

他者としての体・他人【日本哲学の最前線③】

ブログ3回目。 https://bc-liber.com/blogs/a66859b0057f 中動態、自由意志、無自由【日本哲学の最前線①】 こば 01/11 07:59 https://bc-liber.com/blogs/1f1d99e1b0ae Easy Dokusyo-勉強の哲学【日本哲学の最前線②】 こば 01/11 15:10 4.手の倫理:伊藤亜…

ブログ2回目。 https://bc-liber.com/blogs/a66859b0057f 中動態、自由意志、無自由【日本哲学の最前線①】 こば 01/11 07:59 3.勉強の哲学 本書も以前ブログに残している。 https://bc-liber.com/blogs/9912460001e6 読書ログ「勉強の哲学 来たるべきバカ…

中動態、自由意志、無自由【日本哲学の最前線①】

J哲学とは? 土着の日本哲学、輸入された西洋哲学の枠組みを超えて、哲学に取り組む。日本語で行われているために「J」が冠されている。2010年代のそれは、「自由のための不自由論」という観点から論じることが可能で、本書はそれを6人の哲学者たちの著書か…

【メモ】入門 哲学としての仏教

仏教の哲学的側面を考察した本。存在言語心自然絶対者関係時間の7つについてそれぞれ仏教の側面から論じている。仏教の本を読むといつも思うが、理屈ではなんとなく理解できる気はするが、実感としては理解できてない。やっぱり身体的な実感がないと、体得で…

【メモ】アブダクション

ゆる言語学ラジオで、学習は「アブダクション→演繹法→帰納法」だと言う説が紹介されていた。 アブダクション:何らかの情報から、観察不可能な原因を推論する行為演繹法:何らかの前提から、必然的に導かれる結論を分析する行為帰納法:具体的な事象から、一…

情緒不安定をポジティブに捉えてみた【駈込み訴え】

所属するオンラインサロンのイベントで紹介されていた本。イベント自体は仕事で参加できないが、興味を持ったので読んでみた。 「無頼派」「新戯作派」の破滅型作家を代表する昭和初期の小説家、太宰治の短編。初出は「中央公論」[1940(昭和15)年]。聖書…

雑毒の善と贈与とクリスタ【歎異抄:100分de名著】

久々に100分de名著シリーズを読んだ。悪人こそが救われるという「悪人正機説」で有名な親鸞だが、今回読んで印象的だったのは別の部分。 今生 に、いかにいとほし 不便 とおもふとも、 存知 のごとくたすけがたければ、この慈悲 始終 なし。 (この世に生き…

【COVID-19の倫理学】【H×H】ゴンに対して、どう答えるべきか?

京都大学のyoutube講座。この書籍には載ってないが、つい先日も新しい配信があった。 書籍と上記配信から、例のごとく、重要そうなポイントや、気になったポイントを幾つか書いてみる。 公衆衛生の正当化の根拠 公衆衛生、つまり集団の健康を守るために、な…

【世界インフレの謎】パンデミックによる行動変容

ゆる言語学ラジオで取り上げられてたので読んでみた。かなり経済に疎い方だが、サクサク読めた。幾つか気になった部分だけ、備忘録的に。 145p グローバリゼーションは、徹底的にコストパフォーマンスを追求しよう、そのためであれば世界のどこにでも進出し…

サッカーボールの上に乗った卵のように【違和感から始まる社会学 日常性のフィールドワークへの招待】

社会学というジャンルに興味を持ち、読んでみた本。筆者の問題意識はこのように語られている。 私が問題としたいのは、①「生きる」意味をつきつめる必要のない「日常」を、私たちは普段、どのように生きているのだろうか、②そのように「日常」を生きること自…

【社会学史】他の学問とどう違うのか?

podcastで紹介されていた本。聴く講談社現代新書: 社会学史(大澤真幸) - 聴く講談社現代新書 on Apple Podcasts 社会学って聞いたことあるけど、どんな学問?って思ってる方がライトに読むには結構しんどいが笑、飛ばし読みでもそれなりに楽しめます。ー-…

【手の倫理】触覚の持つ二面性

伊藤亜紗さんの本を読むのは、2冊目。 https://bc-liber.com/blogs/03dd1dbdb6d9 読書ログ「目の見えない人は世界をどう見ているのか (光文社新書)」 こば 09/01 22:04 ブログ内容 まとめ前提の話:倫理・道徳・多様性距離のなさ対称性持続性:時間がかかる…

なんで現実世界にカーズはいないのか?【進化論はいかに進化したか】

進化論について、解説した本。コテンラジオの深井さんが紹介してたので、読んでみた。 全体的には正直あまり面白いとは思わなかったが笑、それでも面白かったと思うポイントが3つあるので、要約してみる。■陸上の覇者は人間でも、陸上に最適化した生き物は人…

免責と引責【<責任>の生成ー中動態と当事者研究】

本書は國分功一郎さんと、熊谷晋一郎さんの共著。國分さんは「暇と退屈の倫理学」や「中動態の世界」で有名な哲学者。熊谷さんは「リハビリの夜」や当事者研究で有名な、脳性麻痺の小児科医。この本は「中動態の世界」の続編ともいえる本である。中動態につ…

教育と医療は便益(価値)遅延型専門サービスである。【論文紹介】

「便益(価値)遅延型専門サービス」・・・かつてこれほどに、ピンと来ない言葉があったでしょうか?でも大丈夫です。そんなにわかりにくくはない(はず)です。というわけで、今回はとある論文の紹介です。著者は香川大学の経済学部の教授。 プライマリケア…

痛みをもって痛みを制す/共感性の欠如とその構造【誰がために医師はいる――クスリとヒトの現代論】

本書は、依存症治療に長く携わってきた精神科医である著者がその自身の経験を記した本である。薬物依存症を診た経験はないが、アルコール・ニコチン・ベンゾジアゼピン(睡眠薬)依存症は診ない日はほぼなく、興味深く拝見した。とはいえ、専門用語は殆ど出…

【ひとり空間の都市論】から考えるLIBER論

LIBERというオンラインサロンのブログに投稿したものの、転載になります。 bc-liber.com ひとりとは?・「単位としての一人」:空間時間の課金対象・「孤独・独身の独り」:孤独・自由・独身・「状態としてのひとり」:一定の時間、帰属先の集団から離れてひ…

新しいパンツをはいたばかりの正月元旦の朝のように【8月に買った漫画】

そのくらい、爽やかな気分になりたいものです。 (ジョジョの奇妙な冒険 42巻)8月に買った漫画は10シリーズでした。 というわけで、今回紹介する漫画はこちら。 https://books.rakuten.co.jp/rk/140652d4a0273a49a39c58f927ea9292/?l-id=search-c-item-t…

認知症を精神病理学的に理解するには?

認知症の項目で記憶に残った部分を要約。 ー----------------------------- 認知症の症状は「記銘力障害」(覚えられない)と「見当識障害」(自分がどういう状況にあるかがわからない)。 しかし、実は「何かを忘れてしまう病…

中動態と寛容

僕が本書を読んだのは4年ほど前で、能動でも受動でもない”中動態”というのはとても印象的だったことを覚えています。今回、ある人からのリクエストもあって、改めて読み直してブログにしてみました。著者は、「ひまりん」(暇と退屈の倫理学)で有名な國分功…

【論より詭弁】言葉でなにかを表現することは詭弁である。だがそれの何が悪い。

本書の主張を一言でいうと、こうである。 言葉でなにかを表現することは詭弁である。だがそれの何が悪い。 あることを表現するとは、複数の可能な言葉から一つを選択することに他ならず、その際に、自分にとって最も都合よく、効果的な言葉を選ぶことは、説…